だ液の働き1

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 仙台市泉区の歯医者 まつざき歯科医院の院長です。

 口は直接外界とつながっており、多くのものが口から体内へと入ります。
このため、常に細菌や乾燥などにさらされる口腔内は、いわば外界の敵と戦う最前線基地のようなものです。
だ液は口腔内粘膜や歯を守るために様々な機能を備え、いつも口腔内の健康のために戦っています。

・口腔内粘膜を保護
 だ液には”ムチン”という粘性タンパク質が含まれています。ムチンは水分を多く含む分子構造をしており、粘膜全体を覆う性質を持っています。
 口腔粘膜の表面を覆ったムチンには乾燥を抑える保湿効果があるとともに、食物など外部からの刺激から口腔内の粘膜が傷つかないよう保護する作用があります。

・細菌の繁殖を防御
 だ液1ml中の約7~8億個ある細菌を始め、口腔内には多種にわたる常在細菌が存在しています。これらの細菌は人が生まれてからすぐに繁殖し始め、お互いにバランスをとって共生しており、いざ外部から他の細菌が侵入した際にはバリアとして機能しています。
 しかし、口腔内環境の悪化により一旦バランスを崩すと、有害な細菌が増殖し、むし歯や歯周病、時には全身に関わる病気の原因になったりしますので、常に口腔内の清浄を心がけることが大切です。

・歯の再石灰化
 歯の表面はエナメル質という水晶と同様の硬さを持つ素材で覆われていて、鉄や金よりも硬いとされています。しかし、この硬いエナメル質も酸には弱く、酸が強い環境下では容易に溶解してしまいます。
 むし歯の原因菌であるミュータンス菌などの細菌が、歯についた食べカスに含まれる糖を酵素を使って分解し、酸に変化させます。このまま放置すると酸がエナメル質を溶かしてむし歯へ進行していきますが、だ液にはカルシウムやリンなどのミネラルが多く存在しており、これが常に歯を修復しています。この働きのことを”再石灰化”といい、これによりむし歯の進行を防いでいます。

・pHの維持
 再石灰化と同様に歯を守る大事な機能がpH緩衝機能です。通常口腔内は中性を保っていますが、食後などは非常に強い酸性の状態になる場合があるのでそのままでは歯が簡単に溶けてしまいます。
 そこで、だ液中の重炭酸塩やリン酸塩といった成分が働いて、酸性に傾いた口腔内を食後30~40分で食前の状態に戻し、むし歯になるのを防いでいます。
 また、だ液には食道が酸性になった場合にも中性にする働きがあります。

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