歯周病と全身との関わり

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 仙台市泉区の歯医者 まつざき歯科医院の院長です。

 かつては、歯周病は、口の中の病気と単純に捉えるのが、一般的な考え方でしたが、研究が進み 歯や口だけでなく、全身の健康に深く関わっていることが明らかになってきています。
 逆に、全身の状態が歯周病の状態を含め、口の中の健康に大きく影響することも報告されています。

 歯周病と関連があるといわれている5つの症状

1.誤嚥性肺炎
  食事中、誤って食べ物が気管支に入ろうとすると、自然にむせたり咳が出たりして、肺や気管を守ろうとする生理的な反応があります。
  しかし、この反応が弱まると 自らの唾液や食べ物が誤って肺に入り、肺炎を起こしてしまいます。(誤嚥性肺炎)
  その主な原因は、唾液に含まれる細菌で 歯周病菌の多くは肺炎の原因となるので 歯周病の人ほど誤嚥性肺炎になるリスクが高くなります。
  高齢、認知症、脳血管障害、手術後など 食べ物をうまく飲み込めない人は 要注意です。

2.早期低体重児出産
  妊娠中の女性で歯周病を患っている人は、そうでない人に比べて 低体重児出産や早産の確率が高いことが報告されています。
  妊娠中は ホルモンの変化やつわりによって歯みがきなどの口腔清掃が不十分になり、結果として歯周病にかかりやすくなってしまいます。 
  歯周病になると 炎症性物質が母体やへその緒を通じて胎児に影響して早期低体重児出産の確率が高まると考えられています。

3.認知症
  認知症の1つである脳血管性認知症の原因は脳卒中です。
  脳卒中は動脈硬化が脳の血管で起こるものですから、歯周病を予防して動脈硬化のリスクを減らすことが認知症の予防につながります。
  また、脳の萎縮が見られるアルツハイマー型認知症の人では健康な人に比べて、残っている歯数が少ないことも分かっています。
  歯周病を予防して良く咬むことで 刺激が歯根膜から脳に伝わりアルツハイマー型認知症の予防につながると考えられています。

4.心疾患
  心疾患は、食生活や運動、ストレスなどの積み重ねが引き起こす生活習慣病の1つですが、、歯周病の人はそうでない人に比べて 心疾患を発症するリスクが高いことが明らかになっています。
  また、歯周病が重症なほど その発症リスクが高くなるともいわれています。
  これは、歯周病による歯ぐきの炎症性物質が、血液を介して心臓の血管にも影響を及ぼすためだと考えられています。

5.糖尿病
  糖尿病は、インスリンという血糖を下げるホルモンが不足したり、うまく作用しなくなることで 常に血糖値が高くなる病気ですが、様々な合併症が起きやすくなります。
  歯周病も合併症の1つと見なされています。
  糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になる可能性が高いことや、歯周病の治療によって、歯ぐきの炎症が改善すると インスリンが働きやすい状態になり、血糖値が改善する可能性があるということが報告されています。 

 (参照 日本歯科医師会 歯っぴいスマイル)

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